2017年12月18日

将棋のためのCore i9 7980XE搭載PC購入(PCの選び方)

将棋の検討を行うために購入を考慮していたパソコンがこの度手元に届きましたので同じように購入を考えている方へ何か情報を提供できればと思い記事にしてみます。

簡易的にはツイッターのモーメントにもまとめてみたので合わせてご参照頂けると幸いです。


・将棋の検討をパソコンで行う際に最も重視すべきパーツは

@CPU Aメモリ BストレージはSSDです。(今後はここにGPUが加わってくる予測)
現状はCPUがほぼ9割だと思います。

インテル製でできるだけCPUコア数の多いモデルを選んで下さい

AMD Ryzenは現状将棋の検討には向いているとはいえません。
最上位同士のCore i9 7980XEとThread Ripper1950Xではダブルスコア以上の差がついています(将棋エンジン CPUベンチマーク http://www.uuunuuun.com/cpu-bench)
たとえ価格帯域を厳密に合わせたとしてもインテルがAMDに圧勝の形勢です。

 売れ筋のCoffee Lake(第8世代)のCore i7 8700K6806KNPSという結果が示されています。コスパが良いのではないでしょうか。

もう少し予算を追加できるならばCore i9 7900X7920Xあたりがコスパが良さそうです。

メモリも速度に関与していて2400と3600(OC)の比較で10%程スピードが増加するそうです。
そのため今回は2400ではなく2666を選択しました。
容量は多い方が良く、出来れば32GBではなく64GBにしたかったのですが予算オーバーで断念しました。

他には電源をGold以上の変換効率のものにすることをお勧めします。できれば700W以上の余裕のある容量を。高負荷状態が続いたときに安定した電力供給を行える電源が望ましいです。

・BTOショップの選択


サイコム
@まずコスパが良いです。厳密に最もコスパが良いとまでは言えないかもしれませんが将棋で言えば次善手ぐらいのかなりいいポジションにいます。

A使用しているパーツを出来る限り明示してくれています
素性の不明なパーツで組まれるBTOショップ(大手でも)がほとんどの中これは強い信頼感があります。
気になれば個別にパーツ毎に調査することも可能です。
税込み価格表示であることも優しいです。(大手は税抜き表示がほとんど)

B何よりもCPUの水冷ユニットに240mmサイズのCorsair H100i V2 水冷一体型CPUクーラー FN1021 CW-9060025-WW - Corsair H100i V2 水冷一体型CPUクーラー FN1021 CW-9060025-WW - を選択できることです。


事前の調べではCore i9 7980XEの発熱量が相当に多いことが予測されたので何よりも冷却が重要だと考えられました。

購入先として比較検討したパソコン工房では水冷ユニットは一般的な120mmサイズ固定(問い合わせて確認済み)でドスパラでは水冷の設定自体がありません(!)でした。

 今思えば120mm水冷でもCPUの発熱対策は問題なかったかもしれません。240mmサイズで2〜3時間フル稼働してもCPU温度はせいぜい50℃ほどまでしか上がりません。購入を検討される方は参考になさって下さい。

 ただし、空冷はさすがに無理筋で、実際のDosparaの7980XE搭載最上位モデルのレビューにおいて「DxO OpticsPro 11を使用したRAW現像では「DxO標準プリセット(PRIME有効)」で5枚同時の現像を連続で行うと100度を超えてしまいました。」と記事にされている方がおられます


将棋の検討で棋譜解析をすれば数時間CPU使用率が100%ということもザラです。CPUだけで20万円以上する高い買い物です。100℃越えではパーツの性能が極端に短くなりますから空冷では全くもって冷却能力不足と判断しこの時点でドスパラは購入候補から外れることになりました。

付け加えて言うならばドスパラの空冷ユニットはミドルレンジの製品でウルトラハイエンドのCore i9 7980XEの冷却装置としては全くの役者不足です。

・今回のPCの具体的な構成と価格
CPU インテル Intel CPU Core i9 7980X(Skylake-X) BX80673I97980X -
CPUグリス [Noctua正規販売代理店]NT-H1 サーマル コンパウンド/グリース [NT-H1] -
CPUクーラー Corsair H100i V2 水冷一体型CPUクーラー FN1021 CW-9060025-WW -
M/B ASUS Intel X299搭載 マザーボード LGA2066対応  TUF X299 MARK 2 【ATX】 -
MEM Crucial [Micron製] DDR4 デスク用メモリー 8GB x4 Ballistix Elite ( 2666MT/s / PC4-21300 / CL16 / 288pin / DR x8 / Unbuffered DIMM ) 永久保証 BLE4K8G4D26AFEA -
GPU GIGABYTE ビデオカード GEFORCE GTX 1060搭載 GV-N1060IXOC-6GD -
SSD  WD SSD 内蔵SSD M.2 512GB WD Black / PCIe Gen3 NVMe 8Gbs / 5年保証 / WDS512G1X0C -
Western Digital SSD 内蔵SSD M.2 512GB WD Black  +Sycomオリジナルヒートシンク

OS なし(手元に来てから自分で別途インストール)
CASE Fractal Design ARC Miditower R2 ミドルタワーPCケース 日本正規代理店品  CS4152 FD-CA-ARC-R2-BL-W -
電源 SilverStone STRIDER GOLD S シリーズ 750W電源 Version2 80PLUS Gold認証 Haswell対応 奥行140mmモデル 国内正規代理店品 SST-ST75F-GS-V2 -

価格 509,000円(2年間延長保証 計3年保証付き)

価格を詰めるならGPUのグレードを下げるのが手っ取り早いです。
1060はミドルレンジの製品で価格と性能のバランスで選んだパーツとなっています。
ゲームをしないのでオーバースペックともいえるのですがディープラーニング時代への最低限の備えとしています。
実際に購入したSycomのAqua Masterのリンクはこちらです

・延長保証について
標準では1年間の保証ですが今回はPCの価格があまりにも高額なので大事を取って延長保証をつけることにしました。
サイコムの価格の5%で延長できるのは個人的な感覚としては良心的であると思います。

・実際の性能について
探索部やねうら王4.79AVXトーナメント+評価関数elmo(WCSC27)(uuunuuunさんの測定基準)における測定で20476KNPSを記録しました。これは前述のベンチマーク表にも記載されている数値です。

20MNPS.jpg
従来の4コア8スレッドのメインストリームのNPSが4000KNPSそこそこであることを考えればおよそ5倍の探索速度を持っていることになります。コア数が18で4.5倍なのでまさにコア数に比例する結果となりました。
より短い時間でより深い探索を行うことが出来るようになり自戦譜の粗解析も精度が飛躍的に向上して満足です。

・VRMの悲劇
今回事前の調査が甘かったのがここです。
恥ずかしながら今回PCを購入するまでVRMが何たるかも知りませんでした。

VRMとは簡単に言うとCPUのために電圧の調整を担当する部分になります。(Core i9 7980XEではフル駆動時に200W以上の大量の電力を消費します。)

まず家庭用コンセントの交流100Vを電源装置が12V、7V、5Vの直流に変換します。
それをVRMがCPUの使用する1V程の低電圧に変換するのです。安定的なCPUの動作に重要な部分と言えます。

流れる電流の量が半端ないので当然発熱も激しくなるという訳です。

下記のリンクに詳しいです(記事自体は6月末のものでCPUは7900XでOCもしていますが内容は十分通じます)

VRMhightempra.jpg
標準のファンコントロールプリセットではVRMは95℃まで上昇してしまいました。
固体コンデンサの寿命は10℃あがれば10分の1になるとされていて95℃では20000時間だそうです。単純計算で2年半しか持たないことになります。これでは安心して解析が出来ません。

対策としては
@エアフローを十分に確保し"マザーボード自体も冷やす"(自分のPCではファン回転数を上げることでVRMの温度が忍容性の良い82〜83℃で安定しました)水冷ユニットは"CPUだけを冷やす"ので他のファンの回転数が低いーすなわち標準のファンコントローラープリセットではVRMの温度は94℃まで上昇しました。CPUを冷却するラジエター自体はそこまで熱くならないのでファンの回転数が十分に上がらないため、結果としてケース内の空気の流れが悪く熱がこもってしまったのが原因と考えられます。

AVRM自体を冷やす機構を持ったマザーボードを選択する(熱の拡散を強力に行うヒートパイプやVRMの水冷化用水枕の装備)ことです。
 現状販売されているマザーボードのVRMにもヒートシンクはついているものが多いですが見た目重視の冷却性能不足のものが多いことが問題です。特にCoreXでも使用電力量の多い多コアのCPUを選択する場合にはVRMの悲劇は避けては通れない問題と言えます。(具体的には10コアの7900X以上が想定されます)ご注意下さい。

追記)
ANTEC/アンテック 100mmファン採用 フレキシブル冷却ファン Spot Cool 100 -
を取り付けることでVRMに直接風を送ることが出来るようになりました
antecspotcooler.jpg
実際のPC内部の画像です。
水冷ユニットのパイプが邪魔をして物理的にこれ以上スポットクーラーがVRMに接近出来ていません。
温度低下効果は5〜6℃だと思います。(86℃→80℃)
Antec Spot cool 100には動作モードが2つあって、全開モードと回転数可変モードがあるようなのですが、工場出荷時のスイッチ位置はおそらく全開モードなのか、PCでは回転数をモニタ出来ていません。
が、実際に冷却はできているので追及しておりません。
Antec Spot cool 100の取付自体は難しい作業ではありませんが、マザーボードにドライバーが当たってキズをつけて破損しまうリスクもあり慎重に作業を行いました。
100mmファンということで固定にぐらつきなどの不安もありましたが意外としっかりしており問題なさそうです。
あとは冬場の今は十分な冷却効果が得られているので夏場の室温が高い時期にどうか、という感じです。

・Core XとCoffe Lake(Core i7 8700K)
AMD Ryzenの鮮烈なデビューによって脅かされたIntelの対抗策がこれらのCPUの発売です。
拙速な商品発売はVRM問題など火種を抱えながらも消費者により高性能な製品を届けてくれることとなりました。
どちらも莫大な電力を計算能力に変換するやや強引とも言える手法で製品化しておりもはや空冷では厳しい程の発熱を生じるCPUとなっています。(Core i7 8700Kも個人的には水冷化必須のCPUだと考えています。)
 ところでCore XはAVX512という次世代の命令系統を装備しています。Coffee Lakeにはありません。AVX512はメインストリームの製品では次期第9世代で実装される予定です。
現在AVX512を使用した将棋プログラムはありませんがCore Xの方が将来的な進展性は高いといえます。難しい話になってしまいましたがCore Xを選択したのにはそういう意味合いもありました。



購入後、サイコムに連絡を取ることがありましたが、電話の応対やその後の対応も大変印象が良かったことをお伝えしておきます。

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posted by ロタ(Rota_JP) at 07:51| Comment(0) | コンピュータ将棋、アプリについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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